漫画よみメモ!

主に漫画についてまとめています。

大人向けのラブコメディ漫画の走り「めぞん一刻」

大学入学を目指し、東京に出てきて浪人生活を送る五代の住むアパートに、若くて美人の管理人・音無響子がやってきます。

ひと目で彼女に好意を抱いた五代ですが、彼女には何かとはぐらかされた末に、彼女が未亡人である事を知ります。

めぞん一刻あらすじ

亡夫の実家が、ふさぎ込みがちな響子の気晴らしになればと、経営しているアパートの管理人職を彼女に与えまし。

響子は亡夫への思いから積極的に男性と付き合うことが出来ませんが、個性的なアパートの住人や思いを寄せる五代、そして同じく響子に思いを寄せるテニスコーチなどと生きてく中で、次第に彼女の心は…

少年漫画誌の売れっ子作家が青年漫画誌上に描いた大人のラブコメディ

1970年代後半より、少年漫画誌に漫画を発表し始めた高橋留美子は、1978年に「少年サンデー」にて発表した「うる星やつら」で一躍ヒット作家となりました。

高橋留美子作品

 

あだち充とともに少年誌におけるラブコメディーの2本柱となった高橋留美子は、以降も少年漫画誌上にて多くの連載漫画を描く事になりました。

この「めぞん一刻」は「ビッグコミックスピリッツ」という青年漫画誌への掲載作であり、彼女の長編漫画の中で最も大人びた内容となっています。

ラブホテルに入るシーン、部屋で体を合わせるシーンなど、少年誌では書き切れない内容も多く含む内容となっているのも特徴のひとつです。

 

一刻館に住んでいる人々との交流

物語は主人公である五代と、彼が思いをよせる未亡人・響子を中心に展開していきますが、その舞台となる古いアパート・一刻館に住む住人たちが個性あふれる人揃いで、彼らとの生活がコミカルに描かれてます。

うわさ話が好きで事あるごとにすぐ宴会をしたがる一ノ瀬おばさん。

五代の部屋に通じる穴をあけ、五代の実家から送られてくる仕送りの食糧を食べるなどすぐ人にたかる職業不明の四谷さん。

おっぱいの透けて見えるネグリジェを着たまま平気で五代の部屋に出入りする水商売風の朱美。

こうした住人たちとの生活の中で、夫に先立たれた響子は少しずつ笑顔を取り戻していくのでした。

 

互いを思いながら素直に付き合えないふたり

物語の序盤から、五代が響子に思いをよせる描写が描かれます。しかし響子の思いはなかなか描かれません。

それでも、響子が五代を好意的に感じている素振りは随所に出てきます。なぜ響子はそのような中途半端な態度でいるのか、それは半年前に夫と死別したばかりで、夫の事を大事に思っていたいと考えているからでした。

一方の五代も、自分が浪人、あるいは大学入学後もまだ自分が学生の身である引け目から、どうしても強く付き合うことが出来ません。

また、五代を思うけなげな女の子こずえや、響子の中にグイグイと入ってくる二枚目のテニスコーチ三鷹の登場で、互いに思いを寄せながらも素直に付き合えない二人の間に様々なドラマが生まれていきます。

サイドストーリーにも青年期特有のドラマが

 

「めぞん一刻」では、五代と響子以外のところにもドラマが生まれます。

五代が昔にアルバイトしていた居酒屋で一緒に働いていたこずえ。こずえは五代をうたがう事もなく付き合っている気でいます。

こずえは非常に明るくほがらかで献身的。五代の方も「もし響子さんさえいなかったら」と、彼女への思いを考える事すらありました。

しかし、五代と響子が付き合うかどうかの決断を迫られる所まで来ると、ふたりの関係はこのままというわけにはいきません。

社会人になり、同僚の銀行マンからプロポーズを受けたこずえは、それを五代に相談に行きます。そして迎えた五代とこずえの最初で最後のキスは、あまりにドラマチックなものでした。

 

ラブコメディからラブストーリーへ

 

「めぞん一刻」には、ラブストーリーにある色々なドラマが登場する物語でした。

恋人との死別のドラマ。

出会いのドラマ。

両思いながらそれを表現するわけにはいかない葛藤のドラマ。

嫌いではないのに好きな人と一緒になるために、自分を好きでいてくれる可愛い女性に別れを切り出さなければならないドラマ。

長年付き合う事すら適わなかった人と迎えるはじめての夜のドラマ。

墓前にて亡夫に今の自分の気持ちを話し、新しい人生を決心をするドラマ。当初はラブコメディとしての色彩が強かった「めぞん一刻」は、クライマックスに向けて素晴らしいラブストーリーへと昇華された物語でした。

ひと目で彼女に好意を抱いた五代ですが、彼女には何かとはぐらかされた末に、彼女が未亡人である事を知ります。

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