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しみじみとした感動を味わいたいなら「白暮のクロニクル」

「薄暮のクロニクル」は、全11巻の漫画です。

『オキナガ』と呼ばれる不老不死の人間と普通の人間がどうやって一緒に生きていくのか、また『羊殺し』と俗称されている連続殺人事件に纏わる話を主題に進んでいきます。

 謎のオキナガという存在

『オキナガ』は吸血鬼と呼ばれる存在で、『オキナガ』の血を死にかけの人間に飲ませることによって仲間にします。

しかし血が合わないとそのまま死んでしまうので、決して仲間は多くなりません。

こうやって書くと耽美な退廃的な話かと思われますが、ゆうきまさみらしくそんなことはないです。

「白暮のクロニクル」は地に足のついた現実的な話になっていて、登場人物は皆良い意味で人間くさく泥臭い。

「白暮のクロニクル」作者ゆうきまさみ他の作品

 

「白暮のクロニクル」の主役たち。

ヒロインは伏木あかりという厚生省の公務員。

主人公は見た目は少年ですが中身は88歳の老人という雪村魁。

この二人は後々ロマンスがあるのか?と見せかけてなかなかそんな雰囲気になりません。

恋人同士になるのかというのは、読んでからのお楽しみ。

最後の二人のやりとり、主人公魁の涙はそれまでの積み重ねを知っているととても胸に迫ります。

ラストの演出は決して大げさでなく、画面も派手ではないですがその分じんわり染みる切なさに溢れていると思います。

その他の登場人物も魅力的

 

「白暮のクロニクル」は、また周りのキャラクターも魅力的です。

主人公を『オキナガ』にしたのは、竹之内唯一という人物ですが、本人いわく1600年に渡って生きているとのこと。

冷静沈着で感情が表に出ることはあまりありません。第二次世界大戦の頃、『オキナガ』の特殊部隊を作って戦争に参加していました。その時に魁を『オキナガ』にしています。

伏木あかりの上司は久保園という50代の男性。ひょうひょうとしたおっさんでいい味を出しています。

その他にも按察使薫子、実藤寿一郎などどのキャラクターもちゃんと生きた魅力があります。

11巻という読みやすい長さの中に、『オキナガ』を巡る人間ドラマ、殺人事件、不老不死の人間が生きていくための苦悩や悲しみ、少しばかりの喜びなどが淡々と描かれています。

まとめ

 

『オキナガ』を模した殺人事件、魁の凄惨な過去や羊殺しのどんでん返しや絡んだ因縁を、暗くならず茶化しもせずに描ききった力はさすがのベテランを感じさせます。

よく考えるととても暗いテーマでグロかったりするんですが、絵柄のせいか作風のせいか全くそんな感じもなくさっぱり読めるので苦になりません。

推理小説的なものや不思議が日常に組み込まれた話が好きな人はきっと好みだと思います。そしてラストの魁の涙の場面を見て、色々感じて欲しいです。

 

 

 

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