ハリウッドの思う壺

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韓流時代劇『トンイ』よりも壮大!『賢后 衛子夫』 

衛子夫(えいしふ)は、元は貧しい生まれで、歌妓(かぎ)でした。しかし、中国前漢の皇帝・武帝の寵愛を受けて、後宮に入りました。

賢后 衛子夫あらすじ

とはいえ、武帝には既に多くの后妃達がおり、皇帝の寵愛とは真逆に数多くの女性達から敵視されました。

特に正妻の陳皇后は、母が竇太主(とうたいしゅ/先々帝・文帝の皇女)、祖母が太皇太后(文帝の皇后)という完璧な後ろ盾があり、その庇護の下大変ワガママに育ちました。

その為衛子夫を酷く妬み、事あるごとに彼女を陥れたのでした。それでも衛子夫は諦めず、皇帝に一心に尽くしました。


 

中国版『トンイ』と言われるだけある

韓国時代劇『トンイ』は韓国や日本だけでなく、中国でも人気。その影響を大変受けて、ほとんど中国版リメイクのようなストーリーとなりました。

『トンイ』では主人公トンイこと淑嬪崔氏(スクピンチェシ)が、当時の王妃(禧嬪/ヒビン)張氏(チャンシ)と争い、様々な過程を経て王妃が悪事を働き、廃されました。

これになぞるように、衛子夫と陳皇后がその様相を演じています。

どちらの主人公もシンデレラストーリーを歩みますが、『賢后 衛子夫』が『トンイ』と決定的に違うのは、衛子夫が正妃たる皇后になっている事。

この点はどことなく中国らしさを醸し出してもいました。皇帝という絶対的権威を持つ存在がいる中国と、そうではない朝鮮では雲泥の差が出たといった感じです。 

系図を見てみると面白い時代 

今のように男女同権ではない時代、しかも身分制度がある時代に、これほどまでに女性が表に出てくるのは珍しいです。

勿論皇帝という絶対的権力者の力を分け与えられた皇族だからこそでもありますが、女性が突出した時代でした。陳皇后、竇太主、太皇太后と、この3人だけを見ると「女系」であり、彼女達が後宮を支配していました。

しかも武帝は太皇太后の実の孫ですし、竇太主も武帝から見れば叔母と何かと気を遣う立場です。陳皇后との結婚は孫同士のものであり、現代人から見ると特殊な結婚形態です。

決して古代では政略上近親婚は珍しくありませんでしたが、かえってトラブルを招くシステムでもありました。

現に、竇太主・陳皇后母子が子夫に大変な悪事を働いても、武帝はすぐには裁けませんでした。祖母の太皇太后の権力も強く、血族だったからです。

もし武帝の皇后が他家から輿入れした人物で、その母も皇族でなければ、いとも簡単に皇帝の権力で裁けたことでしょう。

女傑だらけで、武帝は大変… 

陳皇后、竇太主、太皇太后、この3人だけでも相手をするのは大変です。しかし他にも武帝には、実母である王(おう)皇太后や実姉の平陽(へいよう)公主がいました。

この2人もかなりしゃしゃり出て来て、政治にも大きく干渉。

平陽公主は大変賢い女性で、衛子夫を皇帝に紹介・援助した女性なのでまだ良いですが、時に王皇太后は、自分の弟可愛さに、子夫や武帝を苦しめました。

初め、太皇太后の存命中は、彼女の権力の大きさに壁壁させられますが、彼女の死後意外にも王皇太后の方が厄介な存在に。

子夫もそれに巻き込まれてしまい、政敵ながらも自分を理解してくれた太皇太后のいた時代の方がマシな場合もあったように思えました。

加えて、武帝にとって最愛の子夫が皇后となると、今度は彼女自身も一種女傑のような存在になってしまいます。

武帝は非常に周囲の女性に苦労させられたのでした。

陳皇后、竇太主、失脚!衛子夫は皇后へ

『トンイ』の如く、悪が滅びる時が来ました。子夫に毒をもった、竇太主・陳皇后母子の悪事がついに裁かれ、一度は彼らは武帝より死罪を言い渡されました。

しかし生前の太皇太后は、彼ら母子の将来を案じ、それを徳のある子夫に託していました。子夫はその約束を守り、結果死罪を彼らは免れ、生涯軟禁とされました。

中国的な考えでいけば、通常これを許すことはまずありません。それは敵が再起できる状況にしておくことが大変危険なことだったからです。

復讐される可能性を残すことは、後宮政治においては通常ありえません。しかし純真な子夫はそうではありませんでした。

勿論、そんな彼女を見て武帝もより一層彼女を大切にするようになったわけです。それもあって、空いた皇后の座は、子夫のものとなりました。

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物語はハッピーエンドだけど…

皇后となった子夫ですが、それからも様々な陰謀に巻き込まれたりして、その生涯は波乱万丈でした。とはいえ物語自体はハッピーエンドで、最後まで「賢后」でいました。

ただこれは史実と若干違います。また『トンイ』と同じかというとだいぶ差がありました。

『トンイ』のトンイこと淑嬪崔氏の方は、自ら王妃の座を辞退しており、史実でも死後、彼女の子が第21代国王英祖となっており、当時の女性としては大変幸せな最後でした。

対して子夫こと衛皇后は、史実ではバットエンドです。どちらかという『トンイ』の王妃(禧嬪)張氏に近いのが本当の所です。衛皇后も皇太子を産みましたが、皇后が呪殺等に関わったとして自害させられ、廃后となっています。

しかも子供は帝位を継ぐことも叶いませんでした。本作では「賢后」とタイトルで銘打っている以上、そんなことは描けませんでした。ただ史実を知らずに見れば、中々に良い終わり方とも言えます。

 

 

 

 

 

 

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