ハリウッドの思う壺

主に漫画についてまとめています。

フィクションと現実が混ざりあう!「フランコフォニア ルーヴルの記憶」

2016年の10月29日に劇場公開されたアレクサンドル・ソクーロフ監督による歴史スペクタクル「フランコフォニア ルーヴルの記憶」。

ロシア映画界をリードし続けてきたソクーロフ監督が、ルーヴル美術館を舞台に設定して芸術と戦争の間に隠されている奇妙な繋がりを解き明かしていきます。

第二次世界大戦末期のドイツ軍に侵攻されたフランスを通して、過去と未来を烈しく行き来するストーリー展開。これには、引き込まれる!

芸術を守るために戦う人たちと、奪うことを考える側に分かれて繰り広げられる争いが印象深い。

 

いろんな角度から歴史を見つめなおす

巨大な記憶の迷路の中に迷い込んでしまった人たちが、文化と歴史の謎をひも解いていく様子が感動的。

フランス・ドイツ・オランダの3か国による合同制作された作品になり、単純な善悪二元論に陥ることなく多様な視点から歴史を見つめ直すところに共感できます。

フィクションの合間に断片的なドキュメンタリーが挿入されていく、斬新なスタイルが面白かったです。

監督は、好き嫌いが非常に別れるアレクサンドル・ソクーロフ。どんな作品を世に出しているか簡単にまとめます。

アレクサンドル・ソクーロフ監督作品

アレクサンドル・ソクーロフは、ロシア人。権力4部作という作品が有名です。

ヒトラーを描いた1作目「モレク神」

2作目は、レーニンを描いた「牡牛座 レーニンの肖像」

3作目は、イッセー尾形を起用して大日本帝国時代の昭和天皇を描いた「太陽」

4作目は、ゲーテの同名小説を映画化した「ファウスト」

その他、アレクサンドル・ソクーロフはこんな作品も

 

90分間ワンカットの長回し撮影法を用いた「エルミタージュ幻想」

第二次チェチェン紛争を実際の駐屯地で撮影した「チェチェンへ アレクサンドラの旅」

実在の人物が登場する「フランコフォニア ルーヴルの記憶」

ルーヴル美術館の館長を務めるジョジャール。

ナチスの将校メッテルニヒ伯爵。

「フランコフォニア ルーヴルの記憶」にはの実在する人物が登場していきます。

タイトルの「フランコフォニア」そのままに、フランスびいきのふたりが織りなす会話が味わい深い!。

戦争の極限状態の中で、人間の生命だけでなく芸術や文化までもターゲットにされてしまうことが、「フランコフォニア ルーヴルの記憶」で明らかになります。

ナチスから美術品を守ろうとした名もなきパリ市民たち

 

ナチスドイツに支配されているパリの中でも、屈することなく美術品を守り抜くシーンが圧巻。

嵐の中でも遭難の危険を省みずに、果敢に美術品を運搬する年老いた船長の姿は、武器ではなく巧妙な駆け引きを使って、時代の流れに立ち向かっていく戦士たちの生きざまが伝わってきました。

実在する人物と架空のキャラクターたちが複雑に絡み合っていき、不思議な世界観が生れていく場面が良かった!

ソクーロフ監督自らが「フランコフォニア ルーヴルの記憶」のスクリーンの中に登場して、歴史上の人物にインタビューをするような遊び心もありました。

まとめ

時代の流れにもまれながら生き残ってきたルーヴル美術館の、歴史と風格を感じることができる作品「フランコフォニア ルーヴルの記憶」。

過去に戻ることは出来ないとしても、収容されている絵画や彫刻を眺めることによって先人たちの平和へのメッセージを受け入れることができるはず。

好き嫌いや出来不出来がはっきりと分かれるソクーロフ監督の映画ですが、「フランコフォニア ルーヴルの記憶」は是非とも多くの人に見ていただきたいです。

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